ハロウィンは「リア充グループの内部対立を煽るイベント」に見えるのだが。
リア充内にもカースト制度はあって、トップは率先してはしゃぐんだと思う。
しかし2番手3番手の中には、正直ついていけない連中もいるのでは?
リア充内の下位組を中心に「厭ハロウィン気分」が蔓延しそう。
職場でも奥様グループでも。
仮装が、リア充内での自分の立ち位置を知る踏み絵になってる感じ。
まぁニート底辺の俺にはどうでもいい話しだが。
うらやましいよ。ほんとはね。人間と話せるってだけでうらやましい。
壁との会話もそろそろ飽きてきた。
真姫の笑顔。
覚えてるかな?
君がアイドルを目指すと言ったとき、僕は少し困惑したよね。
だって君は、嘘をつけない女性だから。
君は、偽りの笑顔を作れない。だからアイドルは無理だと、僕は言った。
すると君はこう言ったよね。
「確かにそうね。私は無理に笑えない。でも、秘策があるわ」
「秘策?」
君はいたずら少年のようにこう答えた。
「歌ってる最中、ずっとあなたのことを考えるの。あなたのブサイクな顔を思い浮かべれば、イヤでも笑っちゃうわ」
「それはどうかなぁ?超イケメンの僕で笑えるのかい?」
「はぁ?鏡を見てから言いなさいよ」
君のあきれ顔。
僕にだけ見せてくれる、特別な表情のうちの一つだよね。
すると君は急に真顔になって、僕を見つめてきた。
僕が戸惑っていると、君は、何かを振り絞るように、こう言ってきた。
「歌っている最中は・・・あなたの・・・あなたのことしか考えない・・・。私が笑う方法は、これしかないの。あなたの笑顔が、私の笑顔を作るの。だから・・・応援してください。私が歌ってるときは、いつでも必ず、そばにいてください」
僕は、思わず君を抱きしめた。
君の身体は震えていた。
僕は誓ったんだ。
君の孤独も不安も、全て分かち合うことを。
君の笑顔を、一生支えることを。
あれから随分、時がたったね。
西木野真姫は、もう僕だけのものではない。
多くの人に愛される、立派なアイドルになった。
だけどね、真姫。
君への想いは、日々強くなってるよ。
君がいつも、僕のそばにいてくれるから。
これからも、真姫の笑顔をずっと応援するからね。
ありがとう。